(2)センス・オブ・ワンダー ~この社会を生き抜く大切な感性~

「センス・オブ・ワンダー(以下、「S・O・W」)」という言葉をご存知でしょうか?この言葉はアメリカのベストセラー作家であり、海洋生物学者でもあった「レイチェル・ルーイズ・カーソン」によって作り出されたものです。日本語に訳すのは非常に難しいのですが、一般的に「自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性」と言われています。例えば、真っ赤な夕焼けや満天の星空、道端に咲いている花などを見た瞬間、「綺麗だなぁ!」、「美しいなぁ」と感じる感覚、新しいものや未知なるものに触れた時のワクワク!ドキドキ!の感動など、子どものころ、私たちが普通に持っていた感性の事です。

私が大切にしていること
私がネイチャーガイドをしている時、「てっちゃん先生!ここにキラキラした石があるよ!」「あ!このお花,かわいい♪」「うわ~!この葉っぱ,ふわふわで気持ちいい!」など、子どもたちからどんどん言葉があふれだします。このひとつひとつの声こそが「S・O・W」なのです。

私はこの子どもたちから出てくる「S・O・Wの言葉」をとても大切にしています。そしてその「S・O・Wの言葉」をその場ですぐに、参加している子ども達全員で共有するよう心がけています。そうすることで、さらに子どもたちの「S・O・W」が磨かれていくと感じているからです。

この社会を生き抜く大切な感性
さて、大人はどうでしょうか。残念なことに、子どもから大人に成長するにつれて、前例や社会的な常識で感情をコントロールされることが多くなるため、「S・O・W」は心の奥に追いやられてしまう傾向が強くなります。つまり左脳系の思考になってしまうと言うことです。

では、「S・O・W」は大人に必要ではないのでしょうか。いいえ!私はとても大切だと思っています。

右脳系の思考が「S・O・W」。これは日々の暮らしを豊かにする感性であり、今の社会を生き抜くために大切な感性だと感じています。

「S・O・W」を取り戻す方法
「S・O・W」を取り戻すための簡単な方法をひとつご紹介しましょう。フェイスブックやツイッターなどのSNSまたはブログなどを活用する方法です。

日常の生活の中で、意識的にアンテナを張り、感じたこと、気づいたことなどを写真や言葉で表現し、多くの方々と共有してみましょう。そうすることで、視点が変化し、視野が広がると思います。

自分自身でその感度をチューニングすることも大切です!是非、爽やかな秋晴れの日に、「S・O・W」を心に意識して歩いてみましょう。ひょっとしたら、普段、気がつかなかったワクワク!ドキドキ♪の発見があるかもしれませんよ!

やまだ・てつひろ 福山大工学部生物工学科卒。卒業論文のテーマは納豆菌のゲノム(全遺伝情報)解析。1994年岡山県環境保全事業団(岡山市南区内尾)に入り、環境調査部で県内の動植物の生態を調査。県のレッドデータブック作成などに携わった。2014年4月から岡山県自然保護センター(和気町)に勤務。

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